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「 き・く 」からはじまる用語

基幹記録

基幹記録(バイタルレコード、Vital Records)とは、その記録がなければ、一日たりとも企業活動を継続できない種類の記録のことです。

  • 業務を再開する時に不可欠な記録
  • 組織の資産、法的地位、財務的地位を守るのに必要な記録
  • 従業員、顧客、株主、市民の権利・義務を保つために必要な記録

などがそれに当たります。
具体的には売掛・買掛台帳、顧客台帳、契約書、協定書、財務諸表などが該当します。 バイタルレコードの保護は、最近脚光を浴びている事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の、重要な一環といえます。

技術メタデータ

電子文書を再生する際に必要となる技術的な情報を記したメタデータのこと。

記述要素

7エリアに分かれた26要素が示されている。各レベルの情報の記述には、共通の「記述要素」(メタデータ)を用いる。

機密管理・セキュリティ

個人情報や営業秘密など、閲覧制限を設けて情報をコントロールすることを機密管理といいます。契約書などの重要書類を、改ざんのリスクから守ることも機密管理の役割となります。

機密性

電子文書に誰でもアクセスできてしまうと、重要な秘密が漏えいしてしまう危険性があり、権限のある人だけが、対象の電子文書にアクセスできるように制限し、情報が漏れないように管理する必要があります。アクセス制御することで、個人情報や営業秘密が、漏えい、盗聴されることを防止できます。
対策としてIDとパスワードによるアクセス制限やログの保存、暗号化などが必要です。

機密文書

企業に関する極めて重要で秘密保持が必要な文書のことです。機密の度合いによって「極秘文書」、「秘密文書」、「社外秘文書」などに区分されます。

  • 極秘文書:経営上きわめて重要で、かつ、厳重に秘密を保つ必要がある文書です。国家が扱う極秘文書は「漏えいが国の安全、利益に損害を与える恐れのある情報を含む行政文書」とされています。企業においても、極秘文書は最高ランクの重要度を持っています。
  • 秘密文書:会社の重要な政策または営業、人事、経理、技術、研究開発などの機密事項が記載されている文書で、極秘文書に次いで秘密であることが求められます。
  • 社外秘文書:諸統計、調査資料など、経営上、社外に公表することが適切ではないレベルの情報を含む文書で、社内でのみ共有が許されます。

極秘文書・秘密文書は、社内においてアクセス権限のある者だけがアクセスできる管理体制になっていることが重要です。

 

機密文書のイメージ画像

行政機関個人情報保護法

行政機関個人情報保護法(以下、行政機関法)の目的は第1条に定められています。
「行政機関において個人情報の利用が拡大していることに鑑み、行政機関における個人情報の取扱いに関する基本的事項及び行政機関非識別加工情報(行政機関非識別加工情報ファイルを構成するものに限る。)の提供に関する事項を定めることにより、行政の適正かつ円滑な運営を図り、並びに個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであること。その他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする」(行政機関法第1条)
2015年の個人情報保護法(以下、基本法)の改正に併せ、行政機関法も2016年に改正されました。基本法と同様に、ビッグデータに含まれるパーソナルデータの活用を促進するため、新たにその目的に「個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資する」との文言が取り入れられています。これに伴い個人情報の取扱いに関する基本的事項に「行政機関非識別加工情報(行政機関非識別加工情報ファイルを構成するものに限る。)の提供に関する事項」が加わりました。

行政機関非識別加工情報

行政機関非識別加工情報とは、非識別加工情報のうち、以下の要件を満すものです。

  • 個人情報ファイルを構成する保有個人情報の全部又は一部を加工して得られる非識別加工情報であること
  • 行政機関情報公開法の不開示情報(個人情報除く)に該当しないこと

行政機関非識別加工情報ファイル

行政機関非識別加工情報を含む情報の集合物であって、電子計算機を用いて検索できるように体系的に構成したものです。コンピューター処理ファイル及びマニュアル処理ファイルのことを意味します。

行政文書

「行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう)であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう」と定義されています。
ただし、次のものは除きます。

  • 官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
  • 特定歴史公文書等
  • 政令で定める研究所その他の施設において、政令で定めるところにより、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別な管理がされているもの

 

行政文書のイメージ画像

行政文書ファイル管理簿

ファイルを作成した時点で管理簿に登載し、その後は、ライフサイクル管理上のプロセスを保存期間が満了する処分に至るまで、その管理簿で管理します。公文書管理法では作成が義務付けられています(公文書管理法第7条)。
国の管理簿の記載事項としては、次のものが挙げられています。

【作成・取得年度等、分類、名称、作成・取得者、起算日、保存期間、保存期間満了日、媒体の種別、保存場所、管理者、保存期間満了時の措置、備考】

  • 国民と行政機関との情報共有ツール
  • 行政文書の作成・取得から移管・廃棄までの現況の管理ツール
  • 意思決定の判断材料である情報の検索データベース
  • 行政文書の管理状況の監査及び実地調査等における検証ツール
  • 国立公文書館等への移管予定又は廃棄予定に関するデータベース
行政文書ファイル管理簿は文書管理システムで調製し、各省庁の事務所及びインターネットでの公表が義務付けられているのです。「国民と行政機関との情報共有ツール」が挙げられているのは、この行政文書ファイル管理簿が、同時に、情報公開法の開示請求のための文書目録を兼ねているからに他なりません。

共通鍵暗号方式

暗号化した際に使用した鍵を、復号する際にも必ず使用する古典的な技術です。暗号化と復号に共通(同一)の鍵を使うのでこのように呼ばれています。ここで使われる共通鍵は、第三者に知られないように秘密にしておく必要があります。この方式は、秘密鍵暗号方式(Secret Key Cryptosystem)や対称鍵暗号方式(Symmetric Key Encryption Scheme)ともいいます。

記録

記録(records)は、法的な義務の遂行において又は業務の処理において、組織又は個人によって証拠及び資産として作成、受領及び維持された情報です。一般的な「文書」の中で、証拠として重要性の高いもののみが「記録」であり、全ての「文書」が「記録」ではないという考え方です。「記録」として特定するためには記録システム(records system)に「取込む」(Capture)というプロセスが必要。新しい標準でも記録管理を要約していう場合に、「記録の作成、取込み及び管理」と表現するとしており、「取込み」というプロセスを重要視しています。記録は真正性、信頼性、完全性、使用性という4つの特性を有して初めて信頼できる記録といえること、記録の3大要素と言われるコンテンツ、構造、コンテクストはメタデータにより記述されるということなどが述べられています。

記録管理

記録管理(records management)とは、記録の作成、受領、維持、使用及び処分の効率的で体系的な統制に責任をもつ管理領域を指します。記録形式で、業務活動及び処理の証拠及び情報を、捕捉及び維持する一連の作業を含みます。
記録管理に関する意思決定は、記録を生み出す業務そのものの分析と業務において発生が予測されるリスクの評価に基づきます。

 

記録管理のイメージ画像

記録システム

記録システムは、与えられた業務環境内で、明確にされた記録の要求事項を満足することができるように結びつけられた多数の要素からなり、次の項目が望まれます。

  • 記録の統制に適用される
  • 記録の作成、捕捉及び管理のプロセスを実行する
  • 記録内容と記録のためのメタデータとの間の論理的な関係の構築と維持を支援する

記録の正当性は、記録が信頼でき、安全で、コンプライアンスに則った、包括的かつ体系的な記録システムによって管理されることにより支えられます。

記録の原則

保存修復処置の状況など、どのような変更を行ったのかという事実を必ず記録し、後の利用者や研究者に元の状態が分かるようにすること。トレーサビリティ(追跡可能性)を確保するわけで、これを「記録の原則」と言います。

記録のためのメタデータ

記録のためのメタデータ(metadata for records)は次のものを記述すべきものとされています。

  • 業務のコンテクスト
  • 記録と記録システムの間の依存関係及び関係性
  • 法的及び社会的コンテクストとの関係性
  • 記録を作成、管理、使用する行為者との関係性

記録のメタデータのあるものは、記録が作成又は捕捉された時点で生成され、又は付与され、以後変化しない。これが記録の捕捉時点のメタデータです。一方、記録が使用され、管理される間、長期間にわたり発生し続けるメタデータがあります。これが関与する機関を含め、記録に対する処置及びその他記録が存在する間の出来事に関するメタデータで、プロセスメタデータといわれるものです。
記録のためのメタデータは、次のものを記録した情報で構成されるべきとされています。

  • 記録の内容についての記述
  • 記録の構造(例えば記録の形式、フォーマット及び記録を構成する要素間の関係)
  • 記録が作成又は取得され、そして使用された業務のコンテクスト
  • 他の記録及び他のメタデータとの関係
  • 記録を検索し、提示するために必要とされる識別子及びその他の情報(例えばフォーマット、保存情報など)
  • 記録が存在する限り記録に影響する業務上の処置及び出来事(処置の日時、メタデータ及び処置を行う機関に対する変更を含む)

クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティング(cloud computing)とは、コンピューター類から通信ネットワークを介して、遠隔から利用するシステム形態のことです。遠隔地の利用者に情報資源(データ類)を提供するシステムを運用するデータセンターや、その中で管理されているサーバー群などのことを指してクラウドと呼び、外部の専門事業者がサービスとして顧客に提供する場合には、これをクラウドサービスといいます。