ペーパーレス化とは?メリットや方法、働き方改革を成功させるポイント解説
働き方改革やDXの取り組みを背景に、加速化するペーパーレス化。
しかし、やみくもに進めても効果は半減です。
本記事では、ペーパーレス化のメリットや方法、働き方改革における成功ポイントを解説します。
ペーパーレス化とは
ここでは、ペーパーレス化の内容を次の通り解説します.
- ペーパーレス化とは?
- ペーパーレス化の対象書類
順を追って説明します。
ペーパーレス化とは?
ペーパーレス化の直接的な意味は、紙文書を電子化することです。しかし本質的な意味は、紙文書をデジタル化することで、業務効率を飛躍的に上げることを指します。たとえば、デジタル化によって、データ入力や保管管理を効率化させることです。
ただし、法律上などの制約により、紙文書を完全に無くすことはできません。そのため、デジタルデータと紙文書を共存させることが必要です。
ペーパーレス化の対象書類
ペーパーレス化を進めるには、対象書類を把握することが重要ですが、どのような書類が対象なのでしょうか?
ビジネスにおけるペーパーレス化の対象は、主に次のような書類がありますので、確認してください。
- 社内申請書類
- 社内規程、マニュアル
- 技術文書・資料(技術検討書、調査研究資料、報告書、許認可関連資料、図面等)
- 会議資料、社内管理資料
- 国税関係書類(請求書、領収書、契約書等)
このように一部ですが、さまざまな文書・資料が電子化の対象になります。
ただし、国税関係書類は、電子帳簿保存法で認められる書類であることに留意が必要です。また、改ざん防止のために、スキャンしたデジタルデータのタイムスタンプが必要など、定められたルールに従うことが求められています。
電子帳簿保存法を詳しく知りたい方は、下記国税庁の特設サイトをご参考ください。
(※参考)国税庁:「電子帳簿等保存制度特設サイト」
ペーパーレス化のメリット
業務効率化やテレワークの浸透など、さまざまなメリットをもたらすペーパーレス化。ほかにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、ペーパーレス化のメリットを次に沿って説明します。
- 業務効率化・テレワークの推進
- BCP対策
- コンプライアンス・セキュリティ対策
順を追って解説します。
業務効率化・テレワークの推進
一つ目のメリットは、業務効率化・テレワークの推進です。
ペーパーレス化により、デジタルデータをサーバーやクラウド上で共有することで、情報共有が容易になります。検索やデータ更新も円滑に行え、業務効率が飛躍的に高まります。また、紙文書は、郵送など多大な手間を要しますが、ペーパーレス化によりスピーディーに業務を行うことが可能です。
また、ペーパーレス化をすることで、紙を扱う実務を大幅に削減できることから、テレワークの推進も実現できるメリットがあります。
BCP対策
二つ目のメリットは、BCP対策の実現です。
紙文書だけの運用の場合、万が一、地震などの災害で紙文書が消失してしまうと、事業運営が成り立ちません。ペーパーレス化によって書類をデジタル化することで、重要な情報資産を保全することが可能です。
自社内でデータを保存するのではなく、データセンターを活用することで、高いセキュリティの下、データを安全に保管することができます。万が一、災害が起きても、場所にとらわれず事業を再開できるなど、BCP対策を実現できます。
内部統制・セキュリティ対策
三つ目のメリットは、内部統制・セキュリティ対策の実現です。
紙文書の場合、施錠管理や入退室管理など、物理的な情報漏えい対策は非常に煩雑です。また、万が一、情報漏えいした場合でもトレースすることは極めて困難でしょう。
ペーパーレス化することで、デジタルデータのアクセス権の設定・管理が可能となり、強固なセキュリティ対策を実現できます。デジタルで管理するため、リスクコントロールを行う内部統制体制を構築することが可能です。
ペーパーレス化の方法で知っておくべきこと
ペーパーレス化を進めるには、知っておくべきポイントがあります。ここでは、ペーパーレス化の方法で知っておくべきことを次の通り説明します。
- 文書のスキャン方法(オンサイトとオフサイト)
- 紙文書の外部保管
- 電子文書とスキャン文書のトータル管理
順を追って解説します。
文書のスキャン方法(オンサイトとオフサイト)
紙文書を電子で保管・管理するには、大量の社内文書をスキャンして電子化することが不可欠です。しかし、この電子化は、単にスキャンするだけでなく、ファイル名の付与や検索のためのテキストデータの埋め込みも必要です。
文書のスキャンは、自社で行うことも可能です。しかし、一定ルールの下、大量の紙文書に、ファイル名やテキストの埋め込みをすることは大変な労力が発生します。
コア業務で忙しいといった場合は、ペーパーレス化サービスを利用することをおすすめします。なお、ペーパーレス化サービスには、顧客先で作業する「オンサイト」、サービス業者拠点で実施する「オフサイト」の2通りがあります。
紙文書の外部保管
紙文書を電子化しても、法定書類や電子署名が認められていない契約書など、紙文書の原本保管が必要な書類があります。
この紙文書の原本は、万が一、災害が起きても事業を継続させるため、外部保管すべきです。BCP(事業継続計画)の観点から、紙不満書の外部保管サービスを活用することをおすすめします。
電子文書とスキャン文書のトータル管理
紙文書や電子文書は、作成から保管、廃棄まで、紙と電子を統合した文書管理が求められます。
紙か電子かに拘らず、文書が散在や属人化して、どこにあるのか探せないことも多くあります。こうした状況でペーパーレス化を進めても、業務効率化を図ることはできません。
文書の保管方法や所在管理など、紙と電子を一元化したルールの下、文書管理をすることが求められます。
おすすめペーパーレス化サービス
前章では、ペーパーレス化には、「適切な方法でスキャン」「紙文書の外部保管」「紙と電子の統合管理」が必要であることを説明しました。
日本レコードマネジメント株式会社では、これらの必要事項全てに対応でき、各社の環境に最適なペーパーレス化ソリューションを提供しています。
状況に合わせて、スキャンサービスは、セキュリティを最大限に確保しながら、オンサイト・オフサイトのいずれでも可能です。文書管理のルール作りから、紙媒体の外部保管や紙と電子文書の統合管理・検索システム化など、各社のペーパーレス化を強力にサポートします。
日本レコードマネジメント株式会社のソリューションに興味がある方は、ぜひ、次のサイトをご参考ください。
(※参考)NRM 日本レコードマネジメント株式会社:「ドキュメント電子化・保管サービス」「文書管理ソリューション」「電子文書管理ソリューション」
ペーパーレス化で働き方改革!成功ポイント
働き方改革で欠かすことのできないペーパーレス化。ここでは、ペーパーレス化で働き方改革を進めるための成功ポイントを次の通り解説します。
- ハンコ(押印)をデジタル署名に
- FAXをインターネット化する
- 会議資料をペーパーレスで
順を追って解説します。
ハンコ(押印)をデジタル署名に
一つ目のポイントは、ハンコ(押印)をデジタル署名にすることです。
ハンコの押印は、業務効率化を妨げる大きな要因の一つです。たとえば、経費伝票や稟議書では、複数の部門や役員のハンコの押印が求められます。しかし、ハンコの押印をしてもらうための郵送のやり取りや、役員が出張中でハンコ書類の回付が滞ってしまうなど、業務効率化を妨げてしまうのです。
ハンコ(押印)をデジタル署名にすることで、こうしたハンコ押印のデメリットを解消し、業務効率化を飛躍的に向上させることが可能です。
FAXをインターネット化する
二つ目のポイントは、FAXをインターネット化することです。
デジタル化が進展しているものの、受発注の業務などの一部業務では、取引先の事情などからFAXを活用していることもあるでしょう。こうしたFAXを用いた業務は、送受信したFAX文書の保管管理、受信した内容のデータ入力など、煩雑な業務を抱えていることが多いです。
FAX文書の運用を続ける必要がある場合、FAXをインターネット化することが最適です。インターネット化することで、FAXを電子で取り込むことができます。そのほか、管理上、電子化したFAX文書に管理番号や日付など、テキストデータを埋め込むことで、検索を容易に行う環境を構築することができます。
会議資料をペーパーレスで
三つ目のポイントは、会議資料をペーパーレスにすることです。
会議資料をペーパーレス化することで、大量の資料印刷が不要になります。また、大きな利点としては、資料の差し替えが容易になることです。
クラウド上で会議資料を共有すれば、会議資料の訂正が生じた場合でも、訂正した電子文書をアップロードすることで、差し替えを完了できます。また、メールと違い、誤送信リスクなく送信の手間も省けることも、大きなメリットです。
まとめ
本記事では、ペーパーレス化のメリットや方法、働き方改革における成功ポイントをわかりやすく解説しました。
ペーパーレス化を成功させるには、ペーパーレス化をやみくもに進めるのではなく、ペーパーレス化のルールを定めることがポイントです。そして、重要な紙文書は残しつつ、紙文書と電子文書をトータルで管理する仕組みを構築することが、ペーパーレス化を成功させる重要なカギになります。
本記事で解説した「文書のスキャン方法」「紙文書の外部保管」「電子文書とスキャン文書のトータル管理」を念頭に、ペーパーレス化を成功させましょう。