アーカイブズ文書の整理について解説します!

今回は、アーカイブズ文書の適切な扱い方について詳しく解説します。
整理とは
受け入れたアーカイブズ文書をくん蒸処理(薬剤による殺虫・殺菌)の後、利用できるように「整理」します。「整理」は次の一連の作業を指します。
- 清掃
- 簡易な補修
- 内容の調査
- 目録の調査
- ラベルの貼付け
- アーカイバル容器への収納
- 書庫・収納庫などの所定の場所への配架
これら一連の整理作業では、作成母体の異なる文書を混在させないように注意し(出所原則)、現用時の文書の整理配列方式を崩さないように作業を進め(原秩序尊重の原則)、文書の内容などで差がでないように平等に取り扱います(平等取扱の原則)。なお、劣化が著しいアーカイブズ文書や、利用頻度が高いことが予想されるアーカイブズ文書については、永久保存計画に従いマイクロフィルムなどの複製物を作成します。
目録作成
受け入れられた資料は「出所原則」や「原秩序尊重の原則」に基づいて編成し、次いで、それらの資料に関するメタデータを記述して目録や索引を作成します。これを組織化といい、組織化によって資料を同定・識別することが可能となります。
公文書管理法では、特定歴史公文書等の利用請求は目録の提供が前提(第16条1項)となっているため、第15条4項で「適切な利用に資するために必要な事項を記載した目録を作成し、公表しなければならない」と規定しています。
主題索引
アーカイブズでは、資料群に対する編成作業を行うことが原則のため、編成に沿った検索が可能です。しかし、利用者の中には何らかの主題から資料を横断的に(例えば複数のシリーズを横断的に)検索したいと思う人もいるはずです。そこでこの要求に応えるために、資料を主題から検索するためのツールである「主題索引」を作成する必要があります。
主題索引とは、「資料に収められている主題を表す簡潔な語および語群を索引見出しとした索引」(「SIST(科学技術情報流通技術基準)13:索引作成」より)のことです。通常、主題はタイトルや内容の記述に表れることが多いのですが、全ての主題が記述されているとは限らず、そのような資料は主題からの検索ができません。さらに、主題が記述されていたとしても、その表記が異なれば(例えば、「図書」と「書籍」など)一括した検索は困難です。主題索引によって、このような問題が解決されるのです。
まとめ
本記事では、アーカイブズ文書整理の流れや編成作業について詳しく説明しました。
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