DX時代の情報資産管理ポータルサイト

カテゴリ
タグ
  1. TOP
  2. 電子文書管理の基礎知識
  3. アーカイブズの基本業務”受入”(評価選別)とは?詳しく解説します

アーカイブズの基本業務”受入”(評価選別)とは?詳しく解説します

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2025/04/08
アーカイブズの基本業務”受入”(評価選別)とは?詳しく解説します
受入とは、「移管」、「収集」によりアーカイブズ文書をアーカイブズに収蔵することです。アーカイブズ文書とは、歴史的資料そのものを意味する際に使います。アーカイブズ文書の受入は、定められた受入計画や受入基準に基づいて行います。


組織内アーカイブズの受入

受入前に保存期間が満了となった文書を対象に、アーカイブズに移管するか、それとも廃棄するかを決める「評価選別」を行います。欧米では、文書の評価選別は、専門知識と技能をもつアーキビストとレコードマネージャーの双方が連携し、あらかじめ定められた基準に基づいて行います。これにより、歴史的文化的価値のある文書を適切かつ効率的に保存することが可能となります。

推奨される体制は、まず、作成者やレコードマネージャーなどの文書管理者が文書の歴史的文化的価値を評価(一次評価)し、文書処分時に、歴史的視野をもつアーキビストが文書の再評価(二次評価)を行います。このような体制を整備すると、最小限のコストで重要なアーカイブズ文書を適切に管理できるようになります。

しかしながら国は公文書管理法において、文書作成者が保存期間満了前のできる限り早い時期に一次的な評価選別を行うという新しい方式を採用しました。これが「レコードスケジュール」と言われる方式です。これら行政機関が行う一次的評価選別を、保存期間満了時に内閣府がチェックすることになっています。いずれにしても評価選別にあたっては、法律や規則、またその文書が作成された組織の目的や機能を十分に理解したうえで、永続的・歴史的な価値を判断することが大切です。そのためにアーキビストの関与が必要なのです。

評価選別には統一性が求められるため、あらかじめ基準を作成し、それに基づいて評価選別を行うことが必要です。例えば「神奈川県立公文書館公文書等選別基準」では、「選別される歴史的公文書等」は、次のいずれかに該当するものとしています。

  1. 県民生活の推移が歴史的に跡付けられる公文書等
  2. 県行政の推移が歴史的に跡付けられる公文書等
  3. 1945年(昭和20年)以前に作成し、又は取得した公文書等

さらに、上記の選別を適正に行うため、公文書等を26に区分し、それぞれに細目基準を定めています。例えば、「1.条例、規則、訓令、通達等の例規に関する公文書等」、「5.選挙に関する公文書等」、「7.議会、各種委員会、審議会、主要会議等の審議経過及び結果に関する公文書等」、「10.予算、決算及び収支等財務状況に関する公文書等」、「23.県内の史跡、文化財等に関する公文書等」などがあります。

なお、評価選別基準は絶対的な基準ではないので、評価選別にあたっては、基準に基づきながらも、一方で、資料の価値を個々に分析し判断する必要があります。また、一人ではなく他のアーキビストと共に、組織としての判断をすることは、その客観性を高めることにつながります。

収集型アーカイブズの受入

「収集」とは、寄贈(寄付)、購入、寄託等による文書の取得方法のことを言います。寄贈(寄付)は無償で、購入は対価を支払うことで文書の所有権がアーカイブズへ移ります。寄託は、文書を所蔵者から預かって保存する契約行為です。文書の所有権は寄託者が有します。

収集は定められた収集基準に則って行われますが、収集の経緯は全て記録化し、受入に伴う事実関係を示す文書は永久保存とします。

収集型アーカイブズの評価選別手順は、基本的に組織内アーカイブズと同じです。しかし、企業の倒産や災害等の特別な理由により、緊急に大量の文書を受け入れる必要がある場合は、収集後にアーカイブズ文書の評価選別を行うことがあります。

まとめ

本記事では、アーカイブズの基本業務”受入”(評価選別)について詳しく説明しました。
日本レコードマネジメントでは、電子文書管理の専門知識と豊富な経験を活かし、お客様のニーズに合った電子文書管理の体制を構築、提供いたします。お気軽にお問い合わせください。