クラウドサービスとは? わかりやすく解説
クラウドサービスは、インターネット経由でソフトウェアやインフラなどの各種機能を利用できるサービスです。低コストで導入・運用可能な点など複数のメリットを持ち、企業間に普及しています。
本記事ではクラウドの基本的知識をわかりやすく解説します。最適なクラウドサービスの選定などにお役立てください。
クラウド(クラウドサービス)の概要
IT分野では、コンピューター類から通信ネットワークを介して、遠隔から利用するシステム形態を「クラウドコンピューティング」(cloud computing)といいます。遠隔地の利用者に情報資源(データ類)を提供するシステムを運用するデータセンターや、その中で管理されているサーバー群などのことを指してクラウドと呼び、外部の専門事業者がサービスとして顧客に提供する場合、これをクラウドサービスといいます。
情報システムの導入形態の変化
従来は、企業などの組織では自社施設の構内に機器を設置してシステムを導入・運用するオンプレミス(on premises)型が主流でした。 2000年代半ば頃からは、外部の専門事業者が用意した設備やソフトウェアを借りて、ネットワーク経由で利用するクラウド型のシステム/サービスが主流となっています。
クラウドサービスの特徴
- 利用者側は最低限の環境(PCや携帯情報端末などのクライアント、その上で動くWebブラウザ、インターネット接続環境など)を用意することで、どの端末からでも、さまざまなサービスを利用することができます。
- 企業が情報資産を管理する手段として急速に普及し、インターネット上のさまざまなサービスを利用することができます。
- 利用する場合には、大事な情報資源(データ類)がクラウドサービス事業者側のサーバーに保管されていること、更にインターネットを介してデータなどがやりとりされることなどから、十分な情報セキュリティ対策が施されたクラウドサービスの選択が重要です。
クラウドの種別
クラウド(クラウドサービス)は、次の3つに分けられます。
- Webサービスの提供などのため、インターネットなどを通じて広く一般からアクセスできるクラウド環境は「パブリッククラウド」(public cloud)といいます。
- 企業などが自社の業務システムなどを運用するために構築し、従業員や関連会社、取引先など限られた関係者のみがアクセスできるものを「プライベートクラウド」(private cloud)といいます。
- パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」(hybrid cloud)といいます。
パブリッククラウド(public cloud)
パブリッククラウドとは、情報システムのインフラをサービスとして遠隔から利用できるようにしたクラウド環境のうち、誰でもインターネットからアクセスして利用できるものです。
パブリッククラウドの特徴
- データセンター事業者などが広く一般の法人や個人などの利用者に提供するクラウドコンピューティング環境であり、インターネットを通じてサーバー環境を操作やソフトウェア稼働などの利用者サービスを提供し、Webサービス運営などによく用いられています。
- 大規模に運用するサーバーコンピューターや記憶装置などの資源を仮想化し、各利用者が必要なときに必要なだけ割り当てられるため、自前で機材を用意するよりも低コストで迅速にシステムを展開することができます。
- 利用者が運用するサービスを利用規模や需要の変動に柔軟に対応して、性能や容量を増強したり縮減することができることから、過剰投資による損失や過小投資による機会損失を防ぐことができます。
パブリッククラウドサービス提供形態
パブリッククラウドサービスは、スケールメリットによる低コスト化や対応する技術者の多さなどから、主に国内外の大手ネット専門事業者がサービスを提供しています。
- 米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)社の「Amazon Web Services」(AWS)
- 米グーグル(Google)社の「Google Cloud Platform」(GCP)
- 米マイクロソフト(Microsoft)社の「Microsoft Azure」
プライベートクラウド(private cloud)
プライベートクラウドとは、情報システムのインフラをサービスとして遠隔から利用できるようにしたクラウド環境のうち、企業などが自社システムでの利用のためだけに用意したものです。
プライベートクラウドの特徴
- 従来の社内システムのように自社のデータセンターなどにクラウド環境を構築したものを「オンプレミスプライベートクラウド」(on premises private cloud)といいます。
- 借り受けたクラウド環境の外部からの利用アクセスを遮断し、自社専用として使用するようにしたものを「仮想プライベートクラウド」(Virtual Private Cloud)あるいは「ホステッドプライベートクラウド」といいます。
仮想プライベートクラウド (VPC:Virtual Private Cloud)
専門のクラウド事業者などが運用するデータセンター内に自社が専用に利用するための区画や機材だけを用意してもらい利用する方式です。オンプレミス型のプライベートクラウドで必要なシステム利用における設備やリソース確保などが不要となり、クラウド化の恩恵を受けることができます。
仮想プライベートクラウドの特徴
- 仮想プライベートクラウドは、すでに運用されているパブリッククラウドのシステムの一部に、自社専用の利用区画を借り受け、専用回線やVPN (Virtual Private Network)で接続して操作・使用することから、導入スピードやコスト面で有利です。
- 当該クラウド向けに提供されている対応ソフトウェアや運用ツールなどを活用することもできます。
- 中小・中堅企業などでは、稼働率の平準化やスケールメリットなどを享受できることから、事業規模に併せたメリットが高い仮想プライベートクラウドが多く利用されています。
まとめ
クラウドサービスの概要・種別についてまとめてみましたが、参考になりましたか?
クラウドサービスが広まったことで、ハードウェアの購入やシステムの構築など、初期投資や管理運用の費用、管理そのものの手間が丸ごと削減できるようになりました。また、ネットワークさえつながればどこにいても利用できるので、リモートワークの普及にも大きな役割を果たしています。
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