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電子文書管理の特効薬 PDFの効能

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2022/05/30
電子文書管理の特効薬 PDFの効能

PDF(Portable Document Format)は、Adobe Systems社により1990年代初めに文書共有を目的として開発しされ、ISO32000として国際標準化された電子文書ファイル形式です。実はPDFには様々な種類(規格)があり、その中に文書保存、管理に最も適したものもあります。

PDFとは。改めておさらい

Office文書やフォーム、グラフィック、Webページなどを変換して作成したPDFは、コンピュータの機種や環境に関わらず、元のファイルと同様の表示・印刷を行うことができます。また、PDFは内部にフォント種類や文字の大きさ、文字飾りなども含め、テキスト情報を埋め込んで保存できるため、画像データとは異なりPDF内の文字検索も容易です。さらには、紙媒体の文書もスキャニングすることでPDFに変換できたり、動画や音声、インターネットのリンク情報を扱うこともできるので、インターネット経由で配信される電子文書の標準的なファイル形式としても普及しています。

PDFを閲覧する際はPDFが閲覧可能なソフトウェアを使用しますが、Adobe Systems社の無償ソフト「Adobe Reader」がよくく使われています。また、PDFを作成・編集するにはAdobe Systems社の「Adobe Acrobat」などの作成・編集が可能なソフトウェアがあります。

紙に負けない、改ざん検出・証拠性

紙書類では比較的容易に検出できる、文書の改ざんですが、電子文書では簡単ではありませんでした。しかし、PDFに電子署名を施せば、PDFが改ざんされた場合にその検出ができます。紙を使う場合は、紙の経年変化、インクのしみ、筆跡などを頼りに科学的な鑑定で改ざんを検出しますが、PDFの電子署名を使えば、コンピュータによるデジタル処理で改ざん検出が可能です。 電子署名では、署名で使用した電子証明書によって署名者を特定できます。改ざん検出とあいまって、紙の捺印と比較しても、勝るとも劣らない証拠性をPDFに付与できます。

文書の長期保存に最適化されたPDF/A

電子文書の長期保存を考えた場合、特定のハードウェアやソフトウェアへの依存度の低い「長期保存フォーマット」を利用する必要があります。その点PDFは、ドキュメントを幅広く配布、閲覧させるための標準的なフォーマットなので特定のプラットフォームに依存しないという利点があります。

PDFは多機能で世界的な標準フォーマットであるため、用途別にいくつかの規格が定められています。なかでもPDF/Aは、電子文書の長期保存のため、主に印刷用途として利用されていたPDFフォーマットを長期保存用に特化させた規格で、ISO19005により定められています。長期保存の際の障害を最大限排除するため、要求事項があったり、内容の保全に影響があるいくつかの機能を制限したりしているのが特徴です。

    • フォントの埋め込み
    • メタデータの埋め込み
    • 暗号化の禁止(パスワードによるアクセス許可はできない)
    • 外部コンテンツへの参照禁止
    • LZW圧縮の禁止

PDF/A準拠の電子文書は、見読性の要件を満たし、改ざんされにくく、多様な文書作成アプリケーションから変換が可能とされています。

まとめ

数あるPDF規格の中でもPDF/Aが電子文書の(長期)保管に向いていることを簡単に解説してきましたが、参考になりましたか? 身近なPDF文書も、実はいろいろな用途別に異なったバージョンや規格のPDFだったりしています。

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