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文書管理とは?具体的な管理方法や運用ポイントを解説!

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2024/12/20
文書管理とは?具体的な管理方法や運用ポイントを解説!

文書管理とは、文書の作成(取得)から、活用、再利用のための保存を経て、アーカイブズへの移管か廃棄かを選択する処分のプロセスまでのライフサイクル管理を効率的・効果的に行うことをいいます。

文書管理は、①保存期間管理、②所在管理、③機密管理・セキュリティという3つの管理手法で構成されています。
また、こうした管理手法を継続的に運用するためには、①ルール、②ツール、③体制という3つの要素が必要となります。

この記事では、文書管理を構成する3つの管理手法と、文書管理を継続的に運用するための3つの要素についてくわしく解説します。

文書管理を構成する3つの管理手法

文書管理が適切に行われている状態とは、当該文書を必要とする時に、すぐに取り出すことが可能で、閲覧権限のある人にのみ提供される状態です。

当該文書を必要とする時に、既に廃棄済みとなっていることのないように、使用する可能性がある期間は保存しておく必要があります。そうした保存期間を適切に管理するのが保存期間管理です。

次に、適切に保存されている文書を迅速に取り出すために、どこにあるのかを管理するのが所在管理です。そして、閲覧権限のある人にのみ提供されるようにコントロールするのが機密管理となります。

1.保存期間管理

必要な重要文書を確実に保存し、不要な文書の滞留を防ぐとともに、限られた保存スペースを有効活用するためには、文書ごとの保存期間を設定し、管理しなければなりません。これが保存期間管理です。海外では「リテンションスケジュール」と呼ぶこともあります。

2.所在管理

保存文書を必要な時に迅速に取り出して活用するためには、文書を探す際の手がかりとなる所在情報は必要不可欠です。文書ファイルの保存場所(書庫名や保管棚No.や保存箱No.等)を設定し、管理することを所在管理といいます。

所在管理を適切に行うためには、文書管理リストなどに整理された各々の文書ファイルの保存場所を明記する必要があります。また、年度の変わり目など、文書ファイルを移動した際には、変更した保存場所を文書管理リストに反映させるなど、所在情報を更新します。

3.機密管理・セキュリティ

個人情報や営業秘密など、閲覧制限を設けて情報をコントロールすることを機密管理といいます。契約書などの重要書類を改ざんのリスクから守ることも機密管理の役割となります。

最近では多くの文書がデジタル化(電子化)されるようになりました。電子化された文書は、紙文書と比較して改ざんの痕跡を消しやすいと考えられています。そのため、従来は契約書など証拠能力を要求されるものについては押印された紙文書が使用されてきました。

しかし近年、電子印鑑や電子証明書などの技術を組み合わせ、証拠能力を要求される文書についても、電子文書が有効と見なされるようになってきました。その結果、ますます機密管理やセキュリティの重要性が高まってきています。

文書管理の継続的な運用のために

文書管理を適切に行うためには、どのように文書を管理するかを定めるルールが必要です。こうしたルールは、きめ細かく定めるほど、管理の精度を高めることができますが、その分、文書管理にかかる手間が増えてしまいます。そうした手間を減らしてくれるのがツールです。

文書管理のツールには、ファイルサーバや文書管理システムなど、コンピューターを利用したものもあれば、キャビネット・書庫や倉庫などのような紙文書の整理・保存のために使うものもあります。

しかし、文書管理のルールを定め、これらのツールを導入しても、文書管理がうまく機能しない組織は少なくありません。それらの組織では、これらのルールやツールを使いこなすための体制が整備されていないことが考えられます。

文書管理の継続的な運用のためには、① ルール、② ツール、③ 体制の3つの要素がすべて揃っていなければなりません。
文書管理の継続的な運用に必要な3つの要素の図

1.ルール

文書管理のルールとして、まず確認しなければならないのは、その組織の「文書管理規程」です。「文書管理規程」は、その組織における文書管理の憲法とも言えるもので、文書の保存期間についての考え方や廃棄の促進、原本管理、電子化の基準など、組織内の文書管理における基本的なルールがまとめられています。文書管理規程のほか、記録管理規程や情報管理規程など、関連する規程が作成されている場合もあります。規程や規則の一覧表を確認し、ルールの全体像を把握しておくことが大切です。

規程類に基づく文書管理の具体的な管理・運用方法・手順・マニュアルは、「文書管理ガイドライン」としてルールの一部となります。

さらに具体的なルールとして「文書分類基準」があります。文書分類基準には、部署別の文書の具体的な保存ルールとして、文書管理を構成する3つの管理手法で解説した、①保存期間管理、②所在管理、③機密管理・セキュリティについて、各部署で管理されるそれぞれの文書・記録を、いつまで、どこに、どのように管理するのかを具体的に示します。

2.ツール

文書管理のツールを使用する目的は、文書管理のルールに則った運用を支援することにあります。

1.文書管理システム

文書管理システムとは、文書を登録・管理し、文書管理の運用を支援するシステムのことを指します。

文書管理システムには、文書名の登録管理のみを行う簡易的なものから、文書の内容をすべてPDF/A準拠ファイル(文書の長期保存を目的とした、国際標準規格ISO19005)で保存したり、RFID(電波を使用して情報を非接触で読み書きする技術)やICタグ(集積回路を内蔵した小さな札)で文書ファイルを管理したりすることまでを行える高額なものまで、様々なシステムがあります。

文書管理システムを使用する場合には、そのシステムが何を目的として導入されているものなのか、何ができるのか、など、仕様を把握した上で運用を検討します。

2.ファイルサーバ

紙文書の場合、キャビネット・書庫や倉庫を用いることで、文書の整理や保存を効率よく行うことができます。電子文書において、同様の役割を担うのがファイルサーバです。

文書分類基準などのルールに則って、適切に紙文書を管理する際に、大分類・中分類・小分類などの階層構造を使用しますが、ファイルサーバでは、フォルダ階層を構築することで文書分類基準の階層構造を実現することができます。

上記の文書管理システムやファイルサーバのほかにもツールはあります。紙文書のためのキャビネット・倉庫・書庫や、個人PC・個人机・外部記録媒体などもツールとして文書管理のルールに則って利用できるか検討します。

3.体制

文書管理を継続的に行うためには、一過性のものとしないための教育や年間計画、定期点検が必要です。一方で、職員の文書管理に対する負担を軽減する運用にすることも大切です。
ルールとツールを使いこなすための体制の整備には、次のことが含まれます。

  • 文書管理を推進する推進体制の整備
  • 社員・職員への文書管理ルールやツールの使い方の周知
  • 具体的な手順を指導する教育研修
  • 文書管理が適切に行われているかを確認するための定期点検(モニタリング)

まとめ

この記事では、文書管理の管理方法や運用ポイントを詳しく解説しました。
実際に組織で文書管理を進めていくと、文書管理規程決め、それに見合うツール決め、運用体制整備まで、多くのことを決める必要があります。
日本レコードマネジメントでは、文書管理の専門知識を持つスタッフが豊富な経験を活かし、お客様のニーズに合った管理体制の構築をサポートいたします。お気軽にご相談ください。