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文書検索で重要な「文書のデータベース」詳しく解説

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2022/05/30
文書検索で重要な「文書のデータベース」詳しく解説
文書自体の情報と文書のライフサイクル情報が記されたデータベース。実は「行政機関と国民との情報共有ツール」として活用されているのをご存じですか?

文書は検索して活用する、ライフサイクルも考慮する

文書(ファイル)を探すときに、名前で検索して保存場所を調べると思います。同じタイトルがいくつもある文書であれば、作成した年度も参考にするかもしれません。検索したとき検索結果が表示されれば、そこから本物の文書を取り出すこともできます。このしくみは図書館の検索に似ています。しかし、文書管理に使われるデータベースには、検索に使われるデータのほかに、いつまで保管するか、保管後はどのように取り扱うか、などの情報も含まれることがあります。

「文書のデータベース」の名称いろいろ

ファイルは大別すると紙文書と電子文書があります。前項の「文書のデータベース」は、紙文書の場合は、一般的に「文書目録」、「ファイル基準表」、「ファイル管理簿」などと呼ばれています(※以降は「ファイル管理簿」を使います)。行政機関であれば「行政文書ファイル管理簿」と呼ばれる台帳形式もしくはデータベースに相当します。一方、電子文書の場合は、電子文書に「メタデータ」を設定しそれを検索に使います。

紙文書の検索には「ファイル管理簿」を使う

ファイルのライフサイクル(レコードスケジュール[RS]、リテンションスケジュールともいう)を管理する台帳が「ファイル管理簿」です。ファイルを作成した時点で管理簿に登載し、その後は、ライフサイクル管理上のプロセスを保存期間が満了する処分に至るまで、その管理簿で管理します。

国の場合「行政文書ファイル管理簿」を作成する義務がある

国の場合は「行政文書ファイル管理簿」と呼ばれ、公文書管理法で作成が義務付けられています(公文書管理法第7条)。行政文書ファイル管理簿は文書管理システムで調製し、各省庁の事務所及びインターネットでの公表が義務付けられています。国の管理簿の記載事項としては、次のものが挙げられています。

  • 作成・取得年度等
  • 分類、名称
  • 作成・取得者
  • 起算日
  • 保存期間
  • 保存期間満了日
  • 媒体の種別
  • 保存場所
  • 管理者
  • 保存期間満了時の措置
  • 備考

行政文書ファイル管理簿の主な機能は以下の通りです。

  • 国民と行政機関との情報共有ツール
  • 行政文書の作成・取得から移管・廃棄までの現況の管理ツール
  • 意思決定の判断材料である情報の検索データベース
  • 行政文書の管理状況の監査及び実地調査等における検証ツール
  • 国立公文書館等への移管予定又は廃棄予定に関するデータベース

主な機能の1つに「国民と行政機関との情報共有ツール」が挙げられているのは、この行政文書ファイル管理簿が情報公開法の開示請求のための文書目録を兼ねているからです。行政文書ファイル管理簿は情報公開法のための文書目録であることを除けば、民間でも全く共通のものといえます。ぜひ参考にして下さい。

ms_bunsho004_img01.jpg△ 行政文書ファイル管理簿はWEBでも検索できる:e-Govポータル(https://www.e-gov.go.jp)

電子文書検索のためのメタデータについて

メタデータ(metadata)とは、情報そのものではなく、情報についての情報を記述または説明し、その場所を見つけ、検索、使用、管理を容易にするためのツールです。そのため、メタデータは、しばしば“データのデータ”、“データに関するデータ”といわれます。図書館分野のメタデータは、書誌情報と呼ばれ、本のタイトル、著者名、出版社、発行年月日などになりますが、文書の場合は“属性情報”といわれ、文書のタイトル、作成者、作成年月日、文書番号、分類基準、保存期間、媒体の種類などが相当します。メタデータは、ライフサイクルを通じて電子文書の管理を適切に行うための有効な情報であり、文書の検索をより効率的にするものです。電子文書の場合は、紙文書のように目視できないので、よりメタデータの重要性が高いといえます。

記録管理の国際標準ISO15489によるメタデータの定義は「記録のコンテンツ、コンテクスト、構造及びライフサイクルを通じての管理を記述するデータのこと」となっています。情報検索のために開発されたダブリンコアでは、15の基本要素が設定されています。また、アーカイブズ分野のメタデータとしては、ISAD(G)、EADなどが知られています。

まとめ

文書検索に使われる「ファイル管理簿」。文書の検索とライフサイクルに活用されているだけでなく、「国民と行政機関との情報共有ツール」として利用されていることから、行政による文書管理がいかに大切であるかがわかります。同じく民間も情報の検索と管理が組織の信用に直結するので、文書管理の在り方を見直すことはとても重要です。 

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