文書のライフサイクルとは?
この“ライフサイクル”管理こそが文書管理!
文書には“ライフサイクル”がある
文書には作成/受領から処分までのライフサイクルがあります。具体的には、作成/受領から、処理/活用を経て再利用のための保存の後、処分に至るまでのプロセスです。処分とは、処理/活用時に設定した保存期間が満了すると処分のプロセスとなり、アーカイブズへの移管か廃棄か、もしくは保存期間の延長かを選択することになります。歴史的に重要な文書はアーカイブズ(公文書館等)へ移管され、永久的に保存されます。このように文書に作成から処分までのライフサイクル管理が必要なのは、基本的に情報には時間の経過と共に利用頻度が減少するという原則があるからです。
アーカイブズはどれくらいの量が適正?
文書の中には、時間の経過にかかわらずその価値が変わらない文書=歴史的に重要な文書が存在します。これらの文書は特別な管理が必要なため、アーカイブズへ移管します。公文書館、記録資料館などの正式なアーカイブズ施設があればそちらへ移管しますし、特にそのような施設がなければ社史または自治体史編纂室(へんさんしつ)などが主体となって移管します。
ただし、歴史的に重要な資料としてアーカイブズへ移管される文書は、日本では全体の文書量の0.3~0.5%程度しかなく、先進国の移管率3~5%と比べるとかなりの低さで、量的には大部分が廃棄されています。歴史的に重要な文書を残されなければ、国や地方自治体、あるいは企業の歴史が全く残らなくなるため、処分のプロセスは大変重要な意味を持ちます。
文書のライフサイクルで使う用語を紹介
文書の作成から処分までのライフサイクルを管理することを、「文書管理」(海外ではレコードマネジメント:記録管理)といいます。
文書のライフサイクルの中で、作成/受領から処分の前までのプロセスを「現用文書」といい、処分のプロセスで移管された後を「非現用文書」といいます。さらに「現用文書」の段階の「保存」プロセスを二つに分け、利用頻度の高い文書を事務室で管理することを「事務室保存」といい、利用頻度が低下した文書を書庫で管理することを「書庫保存」といいます。この場合、特に「書庫保存」の段階を「半現用」と称することがあります。
処分の段階で、アーカイブズへ移管するのか、廃棄もしくは延長するのかを選択するプロセスのことを「評価選別」といいます。
ライフサイクル管理のための2大ルールが「文書分類基準」と「保存期間」です。「文書分類基準」は、文書の検索性を向上させるための仕組みです。「保存期間」とは、文書の評価選別を行うまでの期間を指します。どちらも業務的価値の観点で自由に決めることができます。保存期間については法務的価値から決まる場合もあります。
まとめ
日本では先進国と比べ、永久保存(アーカイブズ)が少なく、それぞれの組織の歴史が残りにくいのが課題です。文書のライフサイクル管理=文書管理を行えば、文書の利活用がすすみ、法的価値のある文書を適切に保管でき、さらに組織の歴史を継承することができるようになります。
文書のライフサイクル・文書管理をご検討されていましたら、文書管理のプロフェッショナル、日本レコードマネジメントまで気軽にご相談ください。